映画俳優であり監督でもありプロデューサーでもある三船敏郎さん。
没してもなお国内外にてその演技力が高く評価されている三船さんですが、ハリウッドの超大作に出演していた可能性があったことはご存じでしょうか。
今回はそんな不世出の大スター三船敏郎さんの来歴や関係のある海外の人物についてご紹介します。
目次
三船敏郎さんはスターウォーズ出演のオファーがあった?
『羅生門』『七人の侍』『黒部の太陽』など様々な映画に出演していた三船敏郎さん。
1951年に『羅生門』がヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した際、映画監督のクロサワの名前と共にミフネの名も世界に知れ渡りました。
生前は「世界のミフネ」として日本国内だけでなく海外からもオファーが殺到していたそうです。
そんな国内外から注目されていた三船さんは何とあの有名な『スター・ウォーズ』への出演オファーがあったそうです。
『スター・ウォーズ』は、言わずと知れたSF超大作。
一筋縄では行かない話は第一作が「エピソード4」から始まることからでもうかがい知ることができます。
監督であるジョージ・ルーカスさんは黒澤明さんの映画にとても影響を受けており、黒沢映画に多く出演していた三船さんにも注目していました。
三船さんはオビ=ワン・“ベン”・ケノービの役でオファーが来ていたそうですが、当時はテクノロジーが発展していないことと武士をコミカルに描くことに疑問を抱いており、出演を渋っていたそうです。
ジョージ・ルーカスさんは「それならば顔を隠すダース・ベイダー役はどうか」と提案したそうですが、結局はNETとの番組出演製作契約があったため断ったそうです。
出演を断ったもののオファーの内容にはとても関心があったようで、もしも断らなかったら、どのようなダース・ベイダーもしくはオビ=ワンになっていたのか……想像が膨らみます。
ちなみに、ジョージ・ルーカスさんはダースベイダーの素顔をできるだけ三船さんに似せるように指示したという噂があります。
三船敏郎さんがハリウッドの殿堂入り?
2016年、ハリウッド殿堂入りを果たし、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名前が刻まれた三船敏郎さん。
日本人でハリウッドに殿堂入りした人物は早川雪洲さん、マコ岩松さん、ゴジラがいます。
あのゴジラと肩を並べるほどの「世界のミフネ」。
三船さんが人気は絶大で世界に進出したことはきちんとした実力があったからこそというのが見て取れますね。
世界的に活躍 海外からの評価は?
「世界のミフネ」として有名な三船敏郎さん。
実際海外からの評判はどのようなものだったのでしょうか。
国内外で様々な賞を受賞していた三船さん。
1951年のブルーリボン賞にて主演男優賞の受賞をはじめ英国アカデミー賞にて主演男優賞(外国語映画部門)、ヴェネツィア国際映画祭にて男優賞、日本アカデミー賞にて助演男優賞など様々な賞を受賞しています。
2007年のアメリカの雑誌「Entertainment Weekly」では尊敬すべきアクションスターの25人にも選出されているなど国内外からその演技力が評価されていたことは明らかです。
専門家ではない一般のファンからも三船敏郎さんは偉大な俳優でありもっと評価されるべきという声もあがっているようです。
三船敏郎さんはアラン・ドロンをも魅了?
芸術映画から娯楽映画まで、数多くの作品に出演している世界一の美男子アラン・ドロンさん。
1970年代以降はレナウンの「ダーバン」やマツダ・カペラのCMキャラクターにも起用されたりしているので、日本で一番有名なフランス人俳優とも言われています。
そんなアラン・ドロンさんと三船敏郎さんは映画『レッド・サン』にて共演を果たしています。
『レッド・サン』とは日本を代表する三船敏郎さんとフランス映画のスターアラン・ドロンさん、そしてハリウッド映画を代表するチャールズ・ブロンソンさんが共演した異色の西部劇です。
その『レッド・サン』にて共演した事でアラン・ドロンさんは三船さんに魅了されたそうです。
映画内では敵同士の役をしていたのですが、その分三船さんの魅力に惹かれていったのでしょう。
二人の交友関係は最期まで続いていたそうです。
また、アラン・ドロンさんは自身のブランド「ALAIN DELON(アランドロン)」にて「Samourai(サムライ)」という名の香水を発売しています。
この「Samourai」は尊敬していた三船さんと自身が出演していた映画「サムライ」をモチーフにしているそうです。
ロバート・デ・ニーロさんも三船敏郎さんの大ファンだった?
国内外だけではなく同業の人物にもファンが多い三船敏郎さん。
そのファンの一人にロバート・デ・ニーロさんがいます。
ロバート・デ・ニーロさんといえば映画『ゴッドファーザー PART II』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』が有名です。
映画『タクシードライバー』に出演した際はその役に入りきるために実際にタクシー運転手として働いたり役作りのために頭髪を抜くなど血のにじむような努力をしているとてもすごい俳優です。
そんな超有名俳優であるロバート・デ・ニーロさんがあこがれていた人物が三船敏郎さんです。
はじめて三船さんとロバート・デ・ニーロさんが対面したとき緊張のあまり一言も話すことができなかったそうです。
海の向こうの人にも尊敬されている三船敏郎さん。
今後、三船さんのような俳優は現れるのでしょうか。